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2026年4月10日

老健(介護老人保健施設)と特養の違い|費用・入所期間・リハビリ体制を比較

老健(介護老人保健施設)の基本情報と役割

介護老人保健施設(老健)は、病院退院後のリハビリテーションと在宅復帰を目的とした公的介護施設です。医師が常勤し、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士によるリハビリが充実しているのが最大の特徴です。全国に約4,300施設あります。

老健の入所期間は原則3〜6ヶ月です。在宅復帰が目的のため「ずっと住み続ける施設」ではありませんが、在宅復帰が難しい場合は入所が延長されるケースもあります。特養の待機中に利用する「つなぎ」としても活用されています。

老健の入所条件

要介護1以上の認定を受けている方が対象です。特養(要介護3以上)より入所条件が緩やかです。リハビリの必要性について主治医の判断が必要で、入所前に施設の相談員と面談、判定会議を経て入所が決定します。

入所の流れは、主治医の紹介状を持って老健に相談→施設の支援相談員と面談→施設の判定会議で入所可否を判断→入所決定→入所日の調整、という手順です。待機期間は特養ほど長くなく、1〜3ヶ月で入所できることが多いです。

老健と特養の費用を具体的に比較する

どちらも公的施設のため民間施設より低コストですが、両者の費用構造には違いがあります。

月額費用の比較表

老健の月額費用は、多床室で月額8〜10万円、個室で月額12〜15万円です。特養は多床室で月額5〜8万円、ユニット型個室で月額8〜15万円です。老健のほうが医療体制が充実している分、やや高めの傾向があります。

いずれも入居一時金は不要です。負担限度額認定を受けられる方は、食費と居住費が大幅に軽減され、月額5〜8万円程度に抑えられます。費用面では特養のほうがやや有利ですが、大きな差はありません。

老健独自の費用項目

老健では施設内の医療費(投薬・検査・処置)が入所費用に含まれます。つまり、入所中の薬代は基本的に追加負担なしです。特養では外部の医療機関を受診するため、医療費が別途かかります。薬の種類が多い方は老健のほうが総額で安くなることがあります。

リハビリ・医療体制の違い

老健と特養で最も大きく異なるのが、リハビリテーションと医療の提供体制です。

老健のリハビリ体制

老健は入所者100人あたり理学療法士・作業療法士・言語聴覚士を1人以上配置する基準があります。実際には基準以上のスタッフを配置している施設が多く、週3〜5回、1回20〜40分の個別リハビリを受けられます。在宅復帰を見据えた具体的な目標設定(自宅の階段を上り下りできるようになる、など)に基づくプログラムが組まれます。

特養にもリハビリ機能はありますが、生活リハビリ(日常動作の中での機能維持)が中心で、個別の機能回復訓練は老健ほど充実していません。

医療体制の比較

老健は医師が常勤(施設長が医師であることが多い)で、看護師も24時間配置の施設があります。点滴、酸素療法、褥瘡の処置など、一定の医療行為を施設内で行えます。特養は嘱託医が定期的に訪問する形で、看護師は日中のみ配置が基本です。

老健は病院と在宅の中間施設として、医療ニーズが高い方にも対応できる体制が整っています。

それぞれの施設に向いている方の特徴

老健が向いている方

骨折や脳卒中の後遺症でリハビリが必要な方、退院後すぐに自宅に戻るのが不安な方、特養の入居待ちで一時的に入所したい方、医療的なケアが日常的に必要な方に老健が適しています。在宅復帰率の高い老健は「超強化型」に分類され、リハビリの質が高い傾向があります。

特養が向いている方

要介護3以上で長期入居を希望する方、在宅介護が困難で安定した生活環境を必要とする方、費用を抑えて長期的に暮らしたい方に特養が適しています。看取りまで対応する施設が多く、終の棲家として安心感があります。

老健選びで確認すべき「在宅復帰率」とは

老健には「超強化型」「在宅強化型」「加算型」「基本型」「その他」の5つの類型があります。最も評価が高い「超強化型」は在宅復帰率50%以上、ベッド回転率10%以上が要件で、リハビリの質が高い施設です。入所を検討する際は、施設の類型と在宅復帰率を確認しましょう。

在宅復帰率が高い老健は、入所中から退所後の生活を見据えた支援を行っています。自宅の環境調査、福祉用具の選定、在宅サービスの調整、家族への介護指導など、退所後の生活がスムーズに始められるようトータルでサポートしてくれます。

老健のデメリットと対策

老健の最大のデメリットは「入所期間に制限がある」ことです。在宅復帰が困難な場合、3〜6ヶ月ごとに退所を促されるストレスがあります。対策として、入所中に特養の申し込みを並行して進める、有料老人ホームやサ高住の情報も収集しておく、在宅復帰の場合は訪問介護やデイサービスの体制を入所中から整えておくことが重要です。

老健のリハビリ内容と在宅復帰の見通しについては、入所前の面談で施設の支援相談員とリハビリスタッフに詳しく聞いておきましょう。「どのような状態になったら在宅復帰が可能か」「在宅復帰に向けたリハビリのスケジュール」を具体的に確認し、家族の生活との調整を早めに始めることが大切です。

老健入所中のリハビリ内容は、入所後2週間で作成されるリハビリテーション実施計画書に基づいて行われます。計画書の内容は本人・家族に説明されるため、目標設定や訓練内容に疑問があれば遠慮なく質問しましょう。3ヶ月ごとに計画が見直され、状態の変化に応じてプログラムが調整されます。

老健と特養の比較に関するよくある質問

Q. 老健に長期間入所し続けることはできますか?

制度上の上限はありませんが、3〜6ヶ月ごとに継続入所の判定が行われます。在宅復帰が見込めないと判断されると退所を促されることがあります。ただし現実には、特養の待機中や自宅の受け入れ環境が整わない場合に1年以上入所するケースもあります。

Q. 老健から特養に直接入居できますか?

はい、老健入所中に特養への申し込みを並行して進めることが可能です。老健の支援相談員やケアマネジャーが、特養への申し込みや転居手続きをサポートしてくれます。老健を「特養入居までのつなぎ」として活用するのは一般的な方法です。

Q. 老健のデイケア(通所リハビリ)と入所の違いは何ですか?

デイケアは日帰りでリハビリを受けるサービスで、夜は自宅に帰ります。入所は施設に泊まり込んで集中的なリハビリを受けます。在宅生活を続けながらリハビリしたい方はデイケア、自宅での生活が一時的に困難な方は入所が適しています。同じ老健で両方のサービスを提供しているケースが多いです。

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