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2026年4月24日

在宅介護と施設介護を徹底比較|費用・家族の負担・生活の質で選ぶポイント

在宅介護と施設介護の基本的な違いを整理する

在宅介護は住み慣れた自宅で訪問介護やデイサービスを利用しながら生活を続ける形態です。施設介護は特養・有料老人ホームなどに入居し、24時間体制のケアを受ける形態です。どちらが「正解」ということはなく、本人の状態と家族の状況に応じて最適な選択は変わります。

厚生労働省の調査では、要介護者の約7割が在宅で生活しています。一方で要介護4〜5の方に限ると施設入居率が約4割に上がり、介護度が高くなるほど施設介護の割合が増えます。

在宅介護で使えるサービスの全体像

在宅介護のサービスは大きく3種類です。①自宅に来てもらう(訪問介護・訪問看護・訪問入浴・訪問リハビリ)、②施設に通う(デイサービス・デイケア)、③短期間泊まる(ショートステイ)。これらを組み合わせてケアプランを作成します。

月々の支給限度額は要介護度によって異なり、要介護1で約167,650円、要介護3で約270,480円、要介護5で約362,170円です(2026年度)。限度額内なら自己負担は1〜3割で済みます。

施設介護の選択肢と特徴

主な施設は特養(月額5〜15万円)、有料老人ホーム(月額15〜35万円)、サ高住(月額10〜20万円)、グループホーム(月額15〜30万円)、老健(月額8〜15万円)です。費用とサービス内容が大きく異なるため、複数の施設を見学して比較することが重要です。

費用を具体的に比較する|在宅と施設の実質負担

「在宅のほうが安い」と思われがちですが、隠れコストを含めると必ずしもそうとは限りません。

在宅介護の費用内訳

介護保険サービスの自己負担が月額1〜3万円(要介護3の場合)、介護用品(おむつ・防水シーツなど)が月額1〜2万円、住宅改修費(初期のみ)が平均20〜30万円、通院・交通費が月額5,000〜10,000円です。合計で月額3〜8万円が直接的な費用の目安です。

ただし最大の隠れコストは「家族の介護負担」です。介護離職による収入減は年間数百万円に及びます。身体的・精神的な負担から家族が体調を崩すケースも少なくありません。

施設介護の費用内訳

特養であれば多床室で月額5〜8万円、ユニット型個室で8〜15万円です。有料老人ホームは月額15〜35万円に入居一時金が加わります。施設費用には食費・居住費・介護サービス費がすべて含まれるため、追加的な出費は比較的少なく見通しが立てやすい利点があります。

在宅介護で要介護4〜5の方のケアを行う場合、サービスを限度額いっぱいまで利用しつつ家族の介護時間も必要になると、実質的な負担は施設介護と大差なくなることがあります。

家族の負担と生活の質を比較する

費用だけでなく、本人と家族の生活の質(QOL)も重要な判断要素です。

在宅介護のQOL面でのメリットとリスク

住み慣れた環境で過ごせる安心感、家族との密な交流、好きな時間に食事や入浴ができる自由度が在宅の強みです。特に認知症の方は環境変化に弱く、住み慣れた自宅のほうが穏やかに過ごせることがあります。

一方で、主介護者の負担集中、社会的孤立、緊急時の対応不安がリスクです。在宅介護者の約4人に1人がうつ状態にあるという調査結果もあり、介護者自身の健康管理が課題になります。

施設介護のQOL面でのメリットとリスク

24時間体制の見守り、専門スタッフによるケア、他の入居者との交流、レクリエーション活動による生活の充実が施設の強みです。家族の負担が大幅に軽減され、介護者と被介護者の関係が改善するケースも多くあります。

リスクとしては、環境変化によるストレス、感染症のリスク、スタッフの質のばらつき、自由度の制限があります。特に入居直後の1〜2ヶ月は環境適応に時間がかかるため、家族の面会頻度を高めるなどのフォローが大切です。

段階的に在宅から施設へ移行する現実的なプラン

「完全在宅」か「完全施設」ではない第三の選択肢

現実的には「完全在宅」から「完全施設」へ一気に切り替えるのではなく、段階的に移行するケースが大半です。具体的には、デイサービスの日数を増やす→ショートステイを定期利用する→施設入居を検討する、という流れが自然です。

小規模多機能型居宅介護を利用すれば、「通い」「泊まり」「訪問」を一つの事業所で柔軟に組み合わせられるため、段階的な移行に最適です。

費用の「見えないコスト」を含めた比較

在宅介護の見えないコストとして最大のものは介護者の機会損失です。介護離職による収入減は年間300〜500万円、介護のために時短勤務に切り替えた場合でも年間50〜150万円の収入減が想定されます。さらに介護者自身の医療費(腰痛、うつ病など)も見えないコストです。

施設介護にも見えないコストがあります。家族が面会に通う交通費、差し入れの食品や衣類の費用、施設のイベント参加費などです。ただし在宅介護の見えないコストに比べれば金額は小さく、予測可能です。両方の総コストを冷静に比較することが正しい判断につながります。

判断に迷ったときは、地域包括支援センターの相談員やケアマネジャーに第三者の視点からアドバイスをもらいましょう。介護の専門家は多くのケースを見てきているため、家族だけでは気づかない選択肢を提案してくれることがあります。

在宅か施設かの判断に関するよくある質問

Q. 本人が「施設に入りたくない」と言っている場合はどうすべきですか?

本人の意思は最大限尊重すべきですが、家族の生活も同様に大切です。まずは在宅サービスを最大限活用し、それでも限界を感じたら「体験入居」を提案してみましょう。実際に施設を見て過ごしてみると、イメージが変わることがあります。無理強いはせず、時間をかけて話し合うことが大切です。

Q. 在宅介護の限界サインにはどんなものがありますか?

①主介護者の慢性的な睡眠不足、②介護者自身が体調を崩している、③認知症の周辺症状(徘徊・暴言など)で安全確保が難しい、④仕事と介護の両立が破綻しかけている、⑤家族関係が悪化している。これらのサインが複数当てはまる場合は、施設介護への移行を前向きに検討しましょう。

Q. 在宅から施設に移ったら、もう自宅には戻れませんか?

戻ることは可能です。特に老健(介護老人保健施設)は在宅復帰を目的とした施設で、リハビリを受けて状態が改善すれば自宅に戻れます。特養や有料老人ホームから自宅に戻るケースは少数ですが、制度上は退居して在宅に戻ることに制限はありません。

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